2016年7月12日火曜日

危険な香り?投機的なNZD/ZAR売り

逆張りになりそれなりにリスクもあるが、おもしろいトレードがある。それがNZドル/南アランド売りだ。それほど推奨できる取引ではなく、取引する場合も少額を勧めるが、実際に取引はしなくても見ているだけで楽しめるので是非目を光らせておきたい。
オージーとキウイは高金利で人を集めているオセアニア通貨で、それぞれオージーとは豪ドル、キウイとはNZドルを指す。そしてその中でNZドルは現在最も強いかもしれない通貨だ。オーストラリアと同じオセアニアの国でありながら、ニュージーランドはオーストラリアほど減速する中国経済の影響を受けないと考えられている。政策金利もニュージーランドのほうが少しだけ高い。なので、世界各国の金融緩和によって投資先を探すリスクマネーが流れ込んでいる。
一方、南アランドは最も弱い通貨の部類になる。南アフリカは金やダイヤモンドの世界的な産地で資源国として知られる。アパルトヘイトと呼ばれる人種隔離政策を廃止し民主化してからは、BRICSのS(South Africa)としても注目され、2010年にはサッカーワールドカップも開催されるなど、アフリカ諸国の中では比較的知名度のある国である。そんな国の通貨が何故売られているのか?理由は単純、政情不安である。エイズの蔓延、高い失業率、治安の悪さにズマ大統領の汚職事件など、様々な問題がある。
為替レートは政治的経済的な理由で上げたり下げたりをしながらも、長期的にはある一定の水準を基準に推移することが多い。強い通貨もいずれは下がり、弱い通貨もいずれは上がることが多い。そこで現在の最強と最弱を合わせたのがNZドル/南アランドなのである。もちろん、NZドルが今後も強いままであり続ける可能性もあるし、特に南アランドはNZドルを超える高い政策金利でありながらこの弱さなので、金利のさらなる高騰やひいてはデノミの可能性もあるが、事態はいつか収束するという前提に立ったなら、この取引は報われるはずである。

NZドル/南アランド売り単体では不安があるなら、レバレッジは低くなるが南アフリカ株も売っておけばいい。幸い南アフリカ株は日本にもETFがあり、空売りも出来るだろう。実際に取引をする場合、NZドル/南アランドペアはマイナー過ぎて取り扱いがないので、NZドル/円を売って南アランド/円を買うことになる。取引単位は、NZドル/円を1万通貨に対して南アランド/円を(NZドル/円)/(南アランド/円)通貨、今ならだいたい10.4万通貨買うというオペレーションが必要になる。

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