ここでは私が参考にしている指標をまとめておくが基本的に相場は後付け解釈であり理由があってもわかるのは後からだったり特に目立った材料もないまま動いたりするので動いているなら理由を探す前にまず反応するべきということは心に刻んでおきたい。定期的に参考指標を見ていれば動きがありそうな時や不確実性の高い時がわかったりすることもあるがあくまでも参考であり最終的な判断を下すのは自分でありその主体性を手放してはならない。
指標ではないが経済ニュースは前提として知っておかなければならない。ブログ右側のソースでも紹介しているが世界市場ニュースはロイター英語版が充実していて特に更新のあったニュースが表示されるTHE WIREはここに目を通しておけば取りこぼしがないだろう。マーケット情報が主だが日本市場ニュースはロイター日本語版とモーニングスターをチェックしておけばよい。余裕があればコラム目当てでブルームバーグの見出しを読んだり経済ニュースに限らないがYahoo!ニュースを見ておくのもよいだろう。知識は多いほうが良い。
指標で最も参考になるのは市場そのものだ。株価、為替、商品市場の値動き自体が一つの指標となる。日経平均とダウ、USドル円とユーロ円、金価格と原油価格ぐらいはある程度知っておきたい。それから経済指標も重要だ。GDPや消費者物価に雇用統計や景気指数などそれ自体が材料とされマーケットが動くようなものは見ておくべきだ。
毎日見る指標としては一番参考になるのが米国の中央銀行であるFRBの経済データ部門であるFREDの発表している米国債券のイールドスプレッド(BofA Merrill Lynch US High Yield Option-Adjusted Spread©)だ。こちらはアメリカ基準の1営業日遅れで発表されている米国債とジャンク債の利回りの差でマーケットが緊張状態にあるほど高くなる傾向がある。6-7%以上で要警戒、7-8%以上で危機的水準であると言える。こちらは短期的な市場のストレスを知るのに適している。
毎日見るものではないがFREDにはもう一つとても参考になるデータがある。それが米国10年債と米国2年債の金利差(10-Year Treasury Constant Maturity Minus 2-Year Treasury Constant Maturity)だ。これがマイナスとなると景気後退の前触れとされる。指標自体は毎日発表されているがそれほど頻繁に見る必要はない。逆イールドが発生するのは経済サイクルが成熟している時が多いので、こちらは株価サイクルの終わりを予期するのに適している。
それから先物・オプション銘柄参考情報のオプション価格を元に算出したオプションの期待値と日経平均水準も毎日見ている。期待値が極端に安くなったり限月別の日経平均水準が先物価格とかい離したりしていれば相場の変調に注意する。私自身が保有している中型小型株を中心としたポートフォリオの値動きも参考にしている。日経平均が動いてもそちらが動いていなければ投機的または小さなトレンド、中小株も一緒に動くなら大きなトレンドと見ることができる。
月ごとに見ているデータは信用市場動向と独自に算出したシグナルだ。信用倍率と月間空売り集計は特に注視していて相場の盛り上がりの参考にしている。信用取引残高そのものも有用だが信用倍率と社内対当を掛け合わせて加工するなど信用取引データは株価サイクルを見る上で参考になる。
四半期ごとに更新している二国間の消費者物価指数を元に算出した為替レートとGDPを元に算出した株価指数は適正水準を推定するのに有用だ。これらは購買力平価(PPP)や株式時価総額をGDPで割ったバフェット指標に近いもので現在の株為替の水準はどのようなものかを教えてくれる。もちろん市場は水準とかい離したまま推移することも多いがバブルの度合いや危機の底値を推し量る参考になる。
年度ごとに新しくなる投資部門別株式保有比率の推移も面白い参考指標だ。誰がいくら株を保有しているのかを見ることによりどういった主体がどういう売買をしているのかがわかる。近年の外国人投資家が中心となった日本の株式市場もこれを見れば一目瞭然だ。
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