2016年9月6日火曜日

ソフトバンクの信用リスクは無視できない

日経平均株価は日銀のETF買いで高値圏を維持しているが寄与度が大きい値がさ株であるソフトバンクに何かがあれば影響は免れないだろう。

ソフトバンクは大型買収を繰り返し巨大化してきた企業であるがここにきて成長は頭打ちになり収入に対して過大な債務水準になっている。携帯電話事業は安定した収入が見込めるが買収した企業の価値下落で減損を迫られる可能性がある。特に心配なのは借金が多く業績もあまりよくない米スプリントだ。ここが赤字を出し続けたり債務不履行を起こしたりするとソフトバンクはダメージを受ける。

もう一つ心配なのは中国のアリババグループだ。中国企業ということもあり経営が不透明で中国政府発表の経済指標もどの程度信用できるのかわからない。アリババは去年株価急落を経験しているが今後もこの懸念はくすぶり続ける。先進国アメリカのビジネスモデルを中国に輸入するだけというコピービジネスでは海外での成長は見込めない。中国国内での事業の全容もよくわからずブラックボックスだ。アリババの株価下落によりソフトバンクの含み益が減少すればソフトバンクの財務状況も悪化する。

ソフトバンクの事業に疑問を抱いているわけではないが大型買収を繰り返してきた結果の多額ののれんが減損となった場合ソフトバンクから連鎖的に株安が広がる「ソフトバンク・ショック」が起きる可能性は否定できない。

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