2016年8月24日水曜日

サービスをクラウド化する

クラウドと言えばストレージとデータ処理が思いつくが色々なものを何でもクラウドと結びつけるとどうなるのか実現可能性や制約を無視して考えてみる。

まずクラウドとはざっくり言うとインターネット上で提供されるサービスのことである。ストレージならどこかのサーバー、データ処理ならどこかのコンピュータが仕事をしてくれている。インターネット上のどこか、というのが曖昧で特定できないのでネット上に存在する無数のコンピュータを雲に見立ててクラウドコンピューティングと呼ばれている。雲の中に手を突っ込んで何かを取り出すというイメージもいいかもしれない。

クラウドとは本来インターネットと不可分であるがここではインターネットに限らず無数に分散したネットワークを利用したサービスとして考えてみる。中央から広がっていくものではなくたくさんの点がつながっていくような草の根運動的なイメージだ。既に似たようなサービスがあったり出来そうにないものもあるがブレインストーミングとしては面白いだろう。以下がその例だ。

お金をクラウド化する
既に仮想通貨のビットコインがある。電子マネーもSuicaにWAONにEdyにiDにnanacoにQUICPayと群雄割拠だ。ギフトカードもクラウドと言えるかもしれない。資金調達ならクラウドファンディングサイトが乱立中だ。

水道をクラウド化する
上水道でなく川や地下水脈や近くに降る雨水を利用する。安全性や効率や資源の問題もあり田舎でしか行われていないがダムに頼らず貯水してそれが飲み水に転用できればインフラとなるだろう。

電気をクラウド化する
発電所から送電するのではなく各家庭が発電する。既に太陽光発電などがあり、安定したエネルギー、つまり蓄電の問題が解決できれば自家発電はさらに普及するだろう。

農業をクラウド化する
広大な土地を利用した大規模農業でなく矮小地や飛び地を利用した農業。まとまった大きな土地が少ない日本には向いているかもしれないが人手や効率の問題がある。GPSやコンピュータと連動した機械やドローンで農業が自動化されれば可能性は広がる。ものによっては工場野菜のほうがいいかもしれない。家庭に置ける全自動化された小型ビニールハウスのようなものがあれば自給自足に近づく。

医療をクラウド化する
ビデオ通話を利用したオンライン診療や訪問医療などが考えられる。登録された医師にネットを介して、または直接診てもらう。ロボット技術を用いた遠隔手術やIBMのワトソンのようなAIによる医療診断もある。

仕事をクラウド化する
工場をクラウド化したのが内職だ。クラウドソーシングではランサーズというサービスがある。データ入力やプログラミングや翻訳やデザインといったものはクラウド化しやすいだろう。フリーランスの物書きもたくさんいる。

店舗をクラウド化する
訪問販売や移動販売車。フリーマーケットや日本では馴染みがないが庭先でのヤードセールやガレージセールもある。通販も店舗をクラウド化した例かもしれない。

運送をクラウド化する
大型配送センターから直接届けるのではなく地域ごとの小型配送センターを経由して宅配する。コンビニ受け取りは実用化されているがそれも近いものだ。自動運転車が荷物を各地の倉庫にいったん届けそれを直接取りに来たり近くの人が配送業務を請け負うといったことが可能だ。配送センターから送った荷物を近場のコンビニや郵便局で預かり本人が受け取ったり自転車やバイクや小型車で配達する。小型というよりはマイクロ配送センターを無数に設置するという発想だ。ドローン宅配という手もある。

移動をクラウド化する
Uber(ウーバー)というサービスが既に存在するがヒッチハイクや白タクや乗り合いタクシーといったものが近いだろう。ウェブサイトで旅行先が同じ人たちを集めてバスをチャーターというのは格安バスツアーがある。

宿泊をクラウド化する
民泊ではAirbnbが有名だ。家屋全てを宿屋と考える。採算が取れるなら空き家を管理して活用したりホームステイしてもらったり色々な道がある。

報道をクラウド化する
インターネットテレビやインターネットラジオといったものがある。全ての人がカメラマンになり記者になる。自己発信ならYouTubeに動画をアップロード。ブログは新聞だ。視聴者提供の映像や資料はテレビ局も使っている。口コミも報道のクラウド化の一種かもしれない。

広告をクラウド化する
テレビや新聞やラジオなどの少数の固定媒体でなく全ての人や物を広告媒体と考える。個人宅に看板を設置したりノベルティグッズを配るのがそうだ。ノベルティでシャツや帽子や靴やボールペンなどを製作して使ってもらえればそれが宣伝になる。広告の入ったシャツを無料で配って着てもらってたくさんの人の目につけば広告効果は十分だ。オリンピックで争奪戦になったテレビ東京のピカチュウバッジは好例だ。

コンテンツをクラウド化する
動画に音楽にゲームにクラウド化が進んでいる。プライム・ビデオやひかりTVやHuluやNetflixなどがメジャーな動画配信サービスだ。音楽ストリーミングではApple MusicやAWAやPandoraやSpotifyやGoogle PlayMusicなどがある。オンデマンド配信は言ってしまえばただのクラウドストレージだがPlayStation NOWやSteamなどのゲーム配信サービスはゲーミング処理をクラウド上で行うコンピューティングを含んでいる。

家事をクラウド化する
調理なら冷凍食品やレストランに食事の宅配。洗濯なら衣服や布団のクリーニングにコインランドリー。清掃ならハウスクリーニングに廃品回収に遺品整理。家事を全てアウトソーシングするのは家政婦だ。

このようにクラウドと何かを組み合わせてみるとよく知ったサービスが思い起こされたり最近増えてきたサービスや全く新たなものが出てきたりする。OOをクラウド化する、という視点で様々なものとクラウドをくっつけてみると面白いアイディアが浮かぶかもしれない。

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