7月の政策決定会合で日銀がETFの買い入れを従来の年3.3兆円から6兆円に増額して以来円高と株高が進み、USドル円と日経平均のかい離幅は2500円に迫りアベノミクス以降最大になった。
”切り崩されるGPIF。しばらくは円高先行か?”で指摘した通り日本は円高圧力に直面しておりしばらくは円高だけが先行し株は持ち合うという展開になっている。7月会合ではETF買い入れ増額とともにドル調達コストを下げる措置もとられ、それにより外国人による日銀トレードが減りそれがさらなる円高圧力になっているとも言われる。
”今年の本命?ディフェンシブなUSドル買い日経売り”ではドル円関数f(JPUS)=200*JPUS-6000と日経の相関を用いたUSドル円買い日経売りを紹介したがそれは1か月以上早過ぎた格好だ。記事当時1500円程度だった差は2500円近くになり、そのかい離幅の大きさも2000円以上という値幅で推移している期間もアベノミクス以降最大だ。これには上記の日銀会合が大きく影響していると考えられる。
こういったマーケットの歪みは待っていればその内に是正されるのが常ではあるがそれが数か月後なのか数年後なのかは全く分からない。2015年4-8月の上方かい離は5か月ほど続いた後中国ショックで一気にしぼんでいる。アメリカの利上げ観測後退によるドル安の混乱に乗じて中国が再び人民元の切り下げに動くのではとの思惑もあるが次の暴落が来るまではマーケットの歪みは放置される可能性が高いだろう。
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