当時強い通貨と弱い通貨の組み合わせということで注目していた2つのトレードを振り返ってみる。
当ブログでは通貨の強弱を各国消費者物価推移から推定しているがその中でUSドルとNZドルは歴史的に見て強かった。逆に南アフリカランドは弱かったので単純にそれらの組み合わせを紹介したが結果的にこのトレードは成功だったと言えるだろう。トレード紹介時にはUSD/ZARは14程度、NZD/ZARは10程度で取引されていてその後前者は13ランド割れ、後者は9ランド割れを経験した。
現在金融市場の信認が厚かったゴーダン財務相が解任され財政規律や政策リスクから南アフリカ国債は格下げされ南アランドも下落したが当時のレートでエントリーしていれば為替水準でもスワップ金利でもプラスとなっているはずだ。S&Pに続き他の格付け会社も格下げをすればまだ変動するかもしれないのでポジションをまだ持っているなら一旦手仕舞いをしてもいいかもしれない。
USドルもNZドルも(加えてオーストラリアドルも)現在も強い通貨であるのでリスクオフに備える場合はこれらの売りをメインに備えるとよいだろう。ただ米国に関しては有事のドル買いという言葉もありアメリカは利上げをして金利が上がり年内さらに2回の利上げがあると言われているので売りにくい。USドルの新規買いを控える程度が無難だ。逆にオーストラリアとニュージーランドはともに住宅市場が過熱気味で中国経済減速の影響をもろに受ける立場にあるので売りやすい。さらに次の一手はおそらく利下げになるので金融危機の際には真っ先に売りたい通貨だ。オセアニアは既に高金利でもなく魅力はない。個人的には売る通貨を一つ選ぶとすればNZDだ。
それでも平時から売るとなると2%弱のスワップ金利が取られるので事が起きてから売る方が確実だ。弱い高金利通貨と組み合わせればスワップもプラスになるが弱い通貨には弱い理由があるので投機的にならざるを得ない。それをわかった上で取引するのであれば売る相手ペアはトルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドといった通貨が候補になる。参考までにリラとペソの対NZDグラフも載せておく。
どの通貨も政治的経済的リスクがあり大きく賭けるのは危険だが投機対象通貨として見る分には面白い。こういったマイナーなペアは取り扱いがないので実践する場合は同じ金額だけ買ったり売ったりしてポジションを合成することになりスプレッドや保証金の面で不利になることも知っておきたい。
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