2016年10月8日土曜日

イギリスポンドでフラッシュクラッシュ

英国ポンドが日本時間2016年10月7日午前8時過ぎに6%急落しその後急速に値を戻している。メジャー通貨の一つであるポンドでもこのようなことが起きたのは意外であった。

フラッシュクラッシュとはごく短い間に相場が急落し元に戻るという現象だ。意図的な注文操作や誤発注を最近影響力が増しているアルゴリズムや高頻度取引(高速取引)などの自動売買システムが増長させて一瞬での大きな値動きとなっているようだ。株では2010年5月6日にダウが短時間で1000ポイントも下落し戻したのが有名だがこちらは株価操作で逮捕者が出ている。

FXでは2015年1月15日にユーロ安スイスフラン高を止めるために無制限介入を行っていたスイス国立銀行がこれ以上の為替操作は無理と政策を中止した結果スイスフランが暴騰したスイスショックというものがある。だがこれはスイスフランという比較的マイナーな通貨であった上に中銀政策の変更という明確な理由があった。英ポンドのようなメジャー通貨で大きな理由もなくこういったことが起きるのは異例で原因が気になるところだ。

マイナー通貨である南アフリカランドではこういったことは日常茶飯事で今年だけでも2回フラッシュクラッシュが起きている。一度目は2016年1月8日、二度目は2016年6月24日に大幅な下落と急激な回復という現象が見られている。ランド円絡みでは2009年10月31日土曜日の明け方にくりっく365のみで南アランド円のスプレッドが突如3円程に拡大し元に戻るという事件が起きているがこちらは訴訟問題に発展しある程度補填はされているようだ。

FXのフラッシュクラッシュは今回もその前のランドも日本時間で金曜日の朝方、つまり欧米ではオーバーナイトで取引が少なく流動性の低い時間帯に起きているのが特徴だ。FXの場合はインサイダー規定がなく市場のポジションも見ることができるので流動性のない時にロスカット狙いで意図的に仕掛けることが可能だ。LIBORというロンドン市場での銀行間平均貸出金利が操作されていた事件があったがマイナーな市場や参加者の少ない時間帯では特にこういったことが起きやすい。マイナーな金融商品では相場の急変やスプレッドの急拡大といったリスクに留意したい。

0 件のコメント:

コメントを投稿