2016年10月17日月曜日

米利上げで意識されるチャイナリスク

アメリカ利上げの際にはドル高で新興国が苦しむことが多いが中国も例外ではない。昨年8月の人民元ショックも記憶に新しいがその後もショックと同程度の人民元安が進んでいて米利上げをトリガーにさらなる元切り下げが起きる可能性がある。

中国は人民元を元安に誘導管理し輸出経済で力をつけてきたがだんだんと人民元が弱すぎると言われるようになり2005年頃から2014年頃までにかけては元高が進んできた。だが最近は輸出が低迷し景気減速が鮮明となり資金流出にも歯止めがかかっていない。中国富裕層が海外移住のため信用に不安のある元建て資産を両替して資本逃避を進めそれも人民元安の一因になっている。

中国の不動産バブルと不良債権問題は指摘され続けてきたが顕在化はしていない。政府の統計操作や国営企業への関与やシャドーバンキングなど信用問題には事欠かない中国だが資本流出による人民元安はコントロールできておらず中国という国家が変調をきたしていることは間違いないだろう。

昨年8月の人民元の急激な切り下げをきっかけに金融市場は大混乱に陥ったがその時は人民元は対ドルで6.2から6.4程度まで下落している。その後市場は混乱から回復したが人民元は6.4から6.6へと同程度下落し緩やかな下落は今も続いている。米利上げによりドル高が進めばそれをトリガーに人民元の下落が加速し中国経済が破壊され金融危機へと発展することも想定しておかねばなるまい。

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