2018年6月16日土曜日

ロイターのコラム 米経済に赤信号、貯蓄率低下でリセッション突入か

コラム:米経済に赤信号、貯蓄率低下でリセッション突入か

マクロ経済学では重要な貯蓄率と景気の相関に関するコラムを紹介する。

米経済は個人の消費支出で支えられておりその原資は所得ではなく貯蓄の取り崩しと借金である。そして貯蓄率の低下はリセッションの前触れであるというのが紹介したコラムの要旨である。グラフを見れば一目瞭然だが貯蓄率は景気後退の前に下がり不景気では上がる傾向がある。より細かく見ると実質貯蓄率が平滑化された貯蓄率を下回る期間が続いた後上昇に転じるとともにリセッションになっていることが多い。

直近では貯蓄率は2016年から大きく低下をし始め2017年には平滑化された貯蓄率を下回ってきている。貯蓄率が低下してからリセッションまでは数年のラグがある場合が多いのでこのデータから言えばアメリカ経済は数年以内にリセッションに陥る可能性が高いということになる。下げ止まった貯蓄率が一転して増加しだしたら要注意だろう。

参考までにFREDで米個人貯蓄率と日経平均株価のグラフを作成しておいた。リセッションの定義は2期以上連続した経済の縮小なのでグレーのエリアは必ず後出しとなる。グラフからは株価はリセッションの1年程度前から下落を始めているということがわかる。株価下落に備えてキャッシュポジションを多めにしておくことを推奨する。

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