2018年6月11日月曜日

短期株価下落サイクルの統計

株価急落はどれくらいの頻度で起きているのか。それを検証するために毎月発表される日経平均のSQ値を用いて比較的短期間における株価の下落サイクルの統計を取ってみた。

今回は前回SQ値と比べて株価が1500円以上下がったケースと2000円以上下がったケースを集めてそれらがどのくらいの期間を経て起こっているのかを計算した。まずは1か月で2000円以上下落したケースから見てみよう。SQ値が毎月発表されるようになったのは1992年6月からで、SQ値はそれ以降313回発表されている。

1限月で日経平均が2000円以上下落したのは11回で、最短の間隔は5限月、最長の間隔は83限月、平均は30.6限月となっている。この表を見てわかるのは長期株価サイクルの終わり=株価が底をつけた後しばらくは大きく下落しないということだ。バブル崩壊後は38か月、アジア通貨危機後は30か月、ITバブル崩壊後は57か月、リーマン・ショック後は83か月もの間2000円以上の下落はなかった。

1限月で最も下落幅が大きかったのはリーマン・ショック時の4300円で、これ以外に3000円以上下落した月がないことを見ればSQが1限月で2000円以上下がるのは暴落といってよいだろう。平均間隔こそ30か月だが金融危機後は株価がしばらく下落していないことを考慮すると感覚的には2000円以上の下落は1-2年に一度程度と考えるのがちょうどよいだろう。2015年8月の人民元切り下げによるチャイナショックからの2016年1月の原油価格下落に端を発した株価暴落は歴史的で、暴落後でも数か月あれば再び暴落する可能性があるという教訓になるだろう。

続いて日経平均が1限月で1500円以上下落したケースを見てみる。それが起こったのは19回、期間の平均は17限月、最短は1限月、最長は57限月となっている。2000円以上の下落は11回なので、1500円以上の下落は倍近く起こっていることになる。パーセントでいえば2000円以上の下落は3.5%、1500円以上の下落は6%の割合で起こっている。こちらもITバブル崩壊後とリーマン・ショック後はしばらく期間があいているのでそれを除けば1500円以上の下落は割合的には1年に一度程度だろう。だが2016年1-2月の例を見ればこれぐらいの幅であれば下落トレンドの中では毎月起こりうると用心が必要だ。

短期株価下落のサイクルとしては1年に一度程度で1500円以上、1-2年に一度程度で2000円以上の下落は想定しておくべきだ。持続した下落局面では2か月連続で1500円以上下がったことがあり、2000円以上の暴落も1年に2回は起きたことがある。サイクルは長い時も短い時もあり特に近年はボラティリティーが低い分動き出すとスピードが速いことが多いのであくまでも統計は参考に留めて過信をしてはいけない。株価暴落時には慌てずピンチはチャンスと落ち着いて行動できるようにしたい。

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