2016年12月12日月曜日

トレンドではないトランプ相場 祭りは続くのか

トランプ相場が始まり1か月ほど経つが円安と株高は進んだものの信用市場が盛り上がる気配はない。米国債券スプレッド、信用市場、空売り市場、日経平均株価サイクルという4つの観点からトランプ相場を見てみよう。

BofA Merrill Lynch US High Yield Option-Adjusted Spread© (BAMLH0A0HYM2)
https://fred.stlouisfed.org/series/BAMLH0A0HYM2

まずはトランプ勝利後から下がり続けている米債券スプレッドだ。こちらは明確なリスクオンで今のところ反転の兆しはない。この指標が反転した時が最も早期の警戒シグナルになるはずだ。定期的にチェックしたい。

次に信用市場を見てみよう。信用買い残は減り続けておりこの傾向は大統領選後も変わっていない。信用売り残は昨年の人民元切り下げ後には一旦減ったがアベノミクスが始まってから微増が続いていて今年に入ってからは増加速度が加速している。買い残を売り残で割った信用倍率は日銀の総括検証後から急減しており倍率は2倍を割りそうな勢いだ。売り増買い減というトレンドが続くならトランプ相場は長続きしないだろう。

それから空売り市場だ。月間空売り集計なので最新が11月分となるが株価が下落するにつれて減っていた実注文と空売りが11月にともに上昇に転じたのは興味深い。トランプ相場で売り注文が増えたことは確かだ。しぼんでいた価格規制ありの空売りも再び増加している。40%を超えていた空売り比率は下げ始めてトランプ後も40%を割り込んだままだ。売りこそ増えているものの空売り比率の低下は気になるところだ。

最後に日経平均の株価サイクルを見ておく。次の金融危機はいつ来るのかで株式時価総額、株価サイクル、USドル円推移と3つの観点からデータに基づき次の金融危機の時期を予想したがそれは来年4月までとなっている。今回最新のデータで株価サイクルを見てみると去年の人民元切り下げショックをイレギュラーとすれば前回のサイクル(2003年4月28日スタート)と今回のサイクル(2012年10月12日スタート)はやはり驚く程似通っているのがわかる。前回底値が1412営業日目で下落は1000営業日を過ぎたあたりから始まっている。今回のサイクルが1018営業日目であることを考えるとやはり下落リスクには留意すべきだ。

まとめるとトランプ相場で売り注文は増えているが信用買いは増えておらずリスクオンを示しているのは米債券スプレッドだけだ。信用倍率や空売り比率などの低下は止まっておらず相場のサイクルも意識すると今の相場には警戒せざるを得ない。リスクテイクはほどほどにしておいたほうがよいだろう。

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