2019年7月10日水曜日

売り注文が急減 株価下落に注意

このブログではおなじみの空売り集計だが、ここにきて売り注文が急減している。これが通常の弱気相場なのか流動性が枯渇し始めたシグナルなのかはわからないがとにかく注意が必要だ。

この指標の利用については空売り集計を読むに書いたので、とにかく最近の内容を見てみよう。

まず売りの実注文と合計であるが、去年10月に上に跳ねたのを最後に今年に入ってからはそれぞれ30兆円、50兆円程度で推移していたが6月分はそれぞれ24.5兆円、45兆円と急減している。売り注文自体が下落トレンドとなるのは2006年、2007-08年、2015年、2018年といずれも株価が下落しているので危険な局面であることは間違いないだろう。

次に空売り注文を規制の有無で分けたものを見てみよう。これはトレンドがある時に規制ありの注文が増える傾向があるというものだが、こちらも去年10月をピークに規制ありの空売りが急速にしぼんできているのがわかる。何かのきっかけがあれば2007年や2015年のような暴落があってもおかしくない。

もう一つ参考程度に月間の空売り比率の推移も載せておくが、こちらは高止まったと思われていたものがさらに高値を更新している。これに関しては日銀によるETF買い入れという非常に気がかりなことがある。現時点で既に日銀は日本株の5%程度を買ってしまっている。GPIFも同程度の日本株を保有しているので日本株の10%程は市場から吸い上げられてしまったと言える。浮動株がそれだけ減っているのだ。売りたくても売れない株や売る気のない株があることを考えれば浮動株の減少が10%を優に超えることは間違いない。

浮動株が減るとどうなるのか?まず音を上げるのは証券会社だ。売れる株がなくなるのでマーケットメイクができなくなる。売買代金が細り乱高下が起きやすくなる。実需の売り手が不在となれば最後に市場に残るのは日銀と空売り主体だ。そうなれば流動性がなくなって株式市場自体が死んでしまう。株式を頻繁に売買しない保有者は株価がバブルだと感じれば手放すかもしれないが買い手が日銀しかいなければ価格はそこまで高騰しないだろう。逆に長期保有のつもりであったものが大きく値下がりした場合、リスク回避で現金化しようと思っても流動性がなく売るに売れないので少し売っただけでさらに大きく下落するということもあるかもしれない。

今回の売り注文減少が一時的なものなのか、日銀によって市場が破壊され始めている影響なのか、見極めていくためには今後も空売り集計を注意深く見ていく必要がある。もし後者であった場合、流動性がなくなると何が起きるか全くわからなくなるので市場にいること自体が危険となる。一旦降りて傍観するという選択もあるのかもしれない。

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