2019年9月21日土曜日

トレードを振り返る:NZD売りMXN買いZAR買い

このトレードを紹介してから2年近く経ったが、ここ半年ほどでNZドル安が進み当初の通貨高が完全に是正されたので一応終了としたい。


アベノミクスによる金融緩和と同時に始まった円安が終わりを迎えている。アメリカは先進国で唯一金利を上げることに成功し、陰りが見えるとは言え経済面でも強いので米ドルは強いが、それでも120円あった2015年と比べれば円高は進んでいる。クロス通貨でのキャリートレードの巻き戻しはもっと顕著だ。そんな中で強さを見せていたオセアニア通貨だが、当初指摘した通り中国頼みの脆弱な経済と続く利下げにより通貨安が進み、既に2/3は巻き戻されたと言ってよい。

これがNZD円を直接売っているのであれば2年分の金利で3%ちょっとを払う必要があったが、高金利通貨と組み合わせることでそれは回避できた。これによりスワップ金利を支払うどころか、メキシコペソであれば2年で12%、南アフリカランドであれば2年で10%程度のスワップ金利を受け取ることができた。どちらも新興国通貨らしくインフレ率は高めに推移したが、実質金利はプラスで推移しトルコリラのような惨状にはならなかった。

執筆当時13.2程度だったNZD/MXNは12.18に、9.7程度だったNZD/ZARは9.36程度になっている。レバレッジを1倍としてそれぞれ7.7%、3.5%程度のリターンだ。これにスワップ受け取りを足せば、2年間でそれぞれ19.7%、13.5%程度のリターンになる。2年分のインフレ率の差によりMXNとZARは5-6%程度減価したかもしれないが、NZDがそれ以上に下落したのでキャピタルゲインとインカムゲインのどちらも得ることができた。

NZD高は終わったが、NZD安と言えるほど安くなったわけではないのでもしNZDがもう少し安くなることを見込むのであればこのトレードはもうすこし引っ張ってもいいだろう。ただしZARは強含んでいるのでここでやめておいたほうがいい。どちらも円の絡まない取引で円高の影響は受けないので大幅な円高があってもそれほど影響はない。重要なのはNZDとMXN(またはZAR)の相対的な力関係だけだ。中国頼みのニュージーランドと米国頼みのメキシコであるからどちらも短期的な先行きは明るくないが中期的にはメキシコに分があるかもしれない。南アフリカは投資するには少し信頼がない。

FXはインサイダーもなく世界中で取引されていて、経済だけでなく政策も大きく絡むので短期的な値動きを予想するのは非常に難しいが、大きなゆがみがあればいずれは是正されることがほとんどなのでこういったチャンスがあればトレードしてみるのはいいかもしれない。現在米ドルはとても強い、カナダドル、スイスフラン、南アフリカランドは強いと言えるので、円高が一気に進む局面があればこの中でも基盤の脆弱なZARは売りだろう。ミセスワタナベやキモノトレーダーは全体として金利だけを追って新興国通貨を買ってキャリートレードをする傾向があるが、FXはゼロサムゲームなので勉強をせずにそういったことをやるべきではないだろう。

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