2016年11月29日火曜日

読めないトランプ相場 信用市場への波及はまだなし

多くのアナリストがトランプリスクに言及しトランプ氏当選はリスクオフだと考えていたが実際は派手なリスクオンとなった。だが不確実性が高まったことでブラックスワンのリスクは高まっておりこの不自然なまでのリスクオンを反映していない指標もあるので注意が必要だ。

トランプ相場の後付けロジックはこうだ。新自由主義が死んで保護主義が台頭する。金融政策は限界を迎えていて今後は財政政策が叫ばれるだろう。トランプのアメリカファーストは貿易の不均衡を是正するのでドル高となる。減税と積極的な財政政策により借金が増えてインフレが進む。それにより債券安となり金利が上がり株価は上昇する。投資家が見越している大きな流れとしてはドル高、借金増、インフレ、金利上昇、債券安、先進国株価上昇、新興国株価下落といったところだろう。

新興国がドル高で苦しむのは理解できるがそれは米国も同じだ。元々日銀とECBの金融政策によりかなりのドル高になっており特に対円では円ロングポジションがたまっていたので巻き戻しに勢いがついているが今後再び120円を超えるような円安水準になるとは考えていない。トランプが一言「ドルは強過ぎる」と言えばドル高は一気にしぼむだろう。金利の上昇には特に注意が必要だが今のところ全てが期待先行なのではしごを外されるリスクは覚悟しておきたい。

指標についても見ておこう。米債のイールドスプレッドは低下傾向にはあるが大きく低下はしておらず自然なリスクオンだ。より気になるのは日銀検証後から下がり続けている信用買いだ。こちらはトランプ氏当選後も下がり続けておりリスクオンは影も形も見えない。買いが減った分信用倍率も下がっており信用倍率と社内対当を合わせたシグナルもリスクオフのままだ。月間集計なので10月末時点の話だが空売り比率もついに下がり始めていて特に価格規制ありの売りが急減しており売り注文全体も大きく減り始めている。売り手なき株価上昇となっておりトランプ相場の持続性はまだわからない。

大統領選から2週分の信用取引データはそれ以前と変わらずリスクオフ傾向でトランプ相場は見当たらない。11月の空売り集計でも売り減の傾向が変わらないならばトランプノミクスは非常に危うい相場だと言える。実態なきリスクオンには恐る恐る入っていくか静観するのが賢明だ。米債券スプレッド、信用取引現在高、空売り集計には引き続き目を光らせておきたい。

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