欧米に続き日本でもノイジーマイノリティーであるポリコレが勢力を強めてきたがこんな動きには断固反対していくべきだと思う。弱者を無制限に優遇しろというのは平等ではないし公正でもない。全ての資源は有限であるという当たり前を理解してほしい。
森喜朗元首相が失言でJOC大会組織委員会会長の座を追われたが、失言だけを切り取って批判する前に何故その発言をするに至ったかをよく考えるべきだろう。多様性を受容する真のリベラルなら相手を尊重し許す心を持っているはずだ。どういう背景があってそういう発言をしたのか読み解いて解決策を出さなければいたちごっこになるだけである。
森元会長の発言を要約すると「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」ということだがこれは彼の実体験に基づいた主観だろう。そして彼の出席していた会議においては事実であったと思われる。このようなことが起こるのは能力や適性を考えず女性を何%以上と機械的に決めてしまうからだ。根本的問題を解決せずそれに付随して発生した問題にだけ対処していてもダメだということだ。
例えば日本ラグビーフットボール協会2020年度の役員人事では24人中5人が女性だった。一方で2019年のラグビー競技者は男子が90370人、女性が4672人となっている。ラグビー協会を選手のためのものと考えれば人口比では女性理事は2人でも多すぎるくらいだ。ラグビーファンの人口比はわからないが男性主体の競技で何故そんなにたくさんの女性理事が必要なのか理解に苦しむ。この理由を論理的に説明できない限り女性比率にこだわるのはただの女性優遇政策に過ぎず、優遇されなかった男性差別である。
根拠もなく特定の分野だけ男女同数にしろというのはおかしな話なのだ。機会の平等は保障されるべきだが結果の平等を強制するべきではない。やりたい人の中から適性と能力のある人を選んでいくのが公正というものだ。男も女も関係なく適材適所が平等というものだ。男女同数を強制したいのであれば土木作業員、外科医、主夫、理系学者なども同数にするべきではないのか?フェミニズムの実態はやりたいことだけ優遇してもらって嫌なことは男性に押し付けるという不平等の極みになっている。
後任は女性のほうがいいのではないか?という発言も恐ろしい。まさに差別主義者の発想だ。女性が能力ではなく「女性だから」という理由で選ばれてしまう。これは男性が「男性だから」という理由で落選させられる男性差別そのものだが何故それは問題にしないのか。それは強者や多数派は虐げてもいいという歪んだ思想を持っているからだろう。ポリコレは少数派が多数派を虐げる詭弁に他ならない。誰かを優遇すれば別の誰かが不遇になる。これは絶対に避けられないことだ。故に優遇は不平等を生む。
BLMや不法移民保護も言っていることは「俺たちを優遇しろ」だ。黒人だけを優遇すれば非黒人は冷遇され、難民にお金を使えば自国民が負担だけ押し付けられて損をする。平等、公正とは不利益を受けないことであって優遇されることではない。それらは全く逆の概念だ。警官に撃たれたくなかったら逃げるな暴れるな、移民として受け入れられたければ正当な手続きを踏んで合法的にやれ、ということだ。法治国家ならば法を守るのが善良な国民だ。法律を平気で破るならず者に優遇される権利などない。
権利を保障するのは国家で、国家を支えているのは国民である。国はできない約束をすべきでないし、国民もそれを許すべきでない。税金を納めているのは国民で国家予算は限られているのだから当然だろう。少ない資源をどう分け合うか考えれば外国人が二の次になるのは当たり前だ。保護すべき自国民以上に守るべき存在などないからだ。民を繁栄させられなければ国は滅亡する。国を滅ぼしてまで弱者を保護することはできない。
国家は機会の平等を与えられるよう努力はすべきだが実際にはそれも資源が有限なので不可能だ。どんなことにもトリアージが必要なのだ。ジャパンハートなるものが「一番格差があってはいけないのは医療だ」と狂ったCMを出しているが医療格差がなければ国が崩壊する。全ての人に先進医療を提供するには資源が足りないのだ。コロナワクチンの特許を放棄しろだの無償で提供しろだの言うのも投資して研究して治験して生産した成果を横取りするようなもので対価もなしに成果をかすめ取ろうとするのは公正ではない。平等とは持っているものにたかることではないのだ。
食料にしてもエネルギーにしてもそうだ。無制限に配れば枯渇する。再生可能エネルギーというのも実際は再生不可能だ。限られた資源をできるだけ平等に分配するのに必要なのが公正さだ。無料でなんでもよこせというのはジャイアン理論と同じで平等でもなんでもない。ポリコレというのは資源が無限にあると思い込んで自分たちにもよこせというとんでもなく幼稚な思想だ。無い袖は振れない。誰かが何かを得れば別の誰かがそれを失う。湧いて出るものなどないことを知らなければならない。
ポリコレ思想が蔓延すると人類は衰退する。優遇の裏には不遇がある。考えるべきはあるものをどう使うかであって誰をどう優遇するかではない。限られた資源の中で優先順位をつけてどれからやっていくか決めていくことが本来の政治というものだ。なにがどれだけあるか把握もできず重要度も優先度も決められないのであれば国は迷走する。ポリコレに染まると優先順位がわからなくなり資源の最適な分配も頭から消えるのであれば、そんな思想はないほうがましだ。ないものはないと理解し優先すべきものを間違えないようにしたい。
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