2020年4月8日水曜日

なぜマスクを外さないのか アベノマスクは日本の象徴

日本でこれだけマスクが求められているのは集団の同調圧力による自然発生的なエチケットというのもあるが科学より自分を信じて疑わない考えることを放棄した日本人が多いからなのではないだろうか。

村の掟でもあるのか?外はマスクをした人であふれマスコミは連日マスク不足を報道する。マスクの作り方が何度も紹介されマスク作りとは縁遠い企業がいくつも参入する。まるでマスクが生活必需品であるかのように語られているがマスクの何がそんなに人を惹きつけるのか?布マスクを国民に配るというアベノマスクなる政策すら出てきているがマスクは何のためにあるのか、なぜマスクをするのかわかっていればこうはならないのではないか。

わかっていることは2つだ。感染者がマスクをすることで感染拡大の抑止になるということと、非感染者がマスクをしても予防効果は認められていないということだ。これらには科学的エビデンスがあり根拠があるということだ。ここで言うマスクとはサージカルマスクのことで、隙間だらけの自作マスクやよくわからない素材でできた用途のわからない一般用マスクではない。

感染者がマスクをすればせきやくしゃみによる飛沫の拡散を減らすことができる。これは事実だ。ただこれも飛沫をなくせるというわけではなく抑えられるというだけだ。非感染者のマスク着用を非推奨としていたアメリカCDCが方針を変え心配な人はマスクをしてもよいとしたのもこれが理由だ。新型コロナは無症状感染者が多く誰が感染しているかわからないので感染拡大の抑止を目的にマスクをすることは無意味ではないと考えたのだろう。

この方針転換を「アメリカがマスク着用を推奨」と曲解している人もいるがマスクをするのは飛沫の拡散を抑えるためであって感染を予防するためではない。トランプ大統領が「心配ならスカーフなどで口を覆ってもよい。私はしないが。」と言ったのはこのためだ。非感染者でもマスクをしてもよいというのは、究極的にはもし全員がマスクをすれば無症状感染者からの感染を抑制できるので正しいだろう。ただこれも絶対に防げるといったようなものではなく気休め程度だ。

非感染者のマスク着用による感染予防のエビデンスがないというのは、インフルエンザシーズンにマスク着用の有無による看護師のインフルエンザ罹患率に差がなかったというものがあるからだ。一方手洗いによるウイルス感染抑止には明確にエビデンスがある。手洗いが推奨されているのは根拠があるからだ。日本では手洗い・うがいと勝手に付け足して言っている人もいるが、うがいにもエビデンスはない。

エビデンスに頼らずとも少し考えればマスクの感染予防効果は高くないことがわかるだろう。ウイルスの感染経路は目や鼻やのどの粘膜だ。確かにマスクをすることで口と鼻は覆えるだろう。ただそこに飛沫が飛ぶ状況というのは感染者と濃厚接触している場合だ。感染者がすぐ傍にいるなら髪の毛、顔、衣服にも飛沫がつくのは当然として身に着けているもの全て、身の回りの物、ドアノブや家具など触れるもの全てが感染源だ。そんな状況で感染を防ごうと思ったら、帽子をかぶりゴーグルをしてマスクをして患者と接した上で、接触後は防具をむやみに触らないように慎重に外してから手を洗わなければならない。定期的に場所の消毒をすることも必要だ。

病院でもマスクはしていてもゴーグルは付けていない医者や看護師が多い。医療従事者のマスクは多くの場合相手に移さないためのものであって自身の感染予防のためではないからだ。医療従事者であればもちろん顔をむやみに触らずよく手洗いをするなど感染対策はしているだろう。だが確実に感染を防止しようと思ったら厳重な装備と管理が必須であろうことは想像に難くない。マスクも手洗いもして感染症対策の知識もある医者や看護師でも新型コロナに感染している。感染予防はそれほど難しいことなのだ。

もっと言ってしまえばクラスターと感染者の数からして現在最も危険な場所は病院だと言っていい。「コロナかも」と思った人たちが病院に押し寄せてくればその中に実際に患者がいて病院で移してしまう可能性があるのは当然だ。現実に病院での院内感染クラスターが何か所も確認されている。医療崩壊を防ぐためにもマスクより「むやみに病院に来ないで」と言うほうがよほど重要だろう。

新型コロナ対策はマスクに限らずガラパゴス化していて「3密を避けて」と言うばかりであまり物理的距離には言及しない。社会的距離をとること(ソーシャル・ディスタンシング)をもっと重要視して出歩かない、集まらない、近づかないことを強調したほうがよいのではないか。医療用マスクが不足する中で全世帯にマスクを配るというのもむしろ「マスクで感染を予防できる」といった誤解を広める結果にすらなりそうだ。

予防できるというエビデンスがなくマスク着用の医療関係者が次々と新型コロナに感染している。それでも「マスクには効果があるに違いない」と思い込むのが多くの日本人なのだろう。目に見えてわかりやすいマスクで他人にアピールもできる。国のトップが「ないよりはあったほうがいい」という理由でマスクを配るような国だ。科学より自分の主観を信じる国民性があるからこそエセ科学がなくならないのも頷ける。

なぜマスクを外さないのか。その答えは科学的根拠ではなく国民の心の中にある。

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