2019年10月5日土曜日

米国の景気後退を占うサーム・ルール

一般社会ではマーフィーの法則やパレートの法則といったものが有名だがこちらがそのようになるのかは未知数だ。

ロイター英語版にあったが日本語化されるかわからない記事だったので紹介しておく。'Sahm Rule' enters Fed lexicon as fast, real-time recession flagによると経済学者のクローディア・サーム氏によって景気後退の発症を従来より素早く知ることができる指標としてサーム・ルールなるものが発案された。日本語ならサームの法則またはサーム指標とでも言うべきか。ルールは簡単で失業率の3か月移動平均を過去12か月の最小値と比較して0.5%以上上がった場合に景気後退と判定するものだ。

米国のデータでは1970年代から毎回この判定がされるたびに景気後退が起こっているそうだ。彼女はこれをトリガーとして自動的に家計を助ける景気刺激策が導入されるようにしてはどうかという提言を行っている。早めに自動的に対策を打つことで景気後退を早く終わらせられるのではないかということだ。現在の景気後退は公式なものではそれが起きてから1年ほど遅れて発表されたりする。景気後退に素早く対処することで軽くすることができるならそれは歓迎されるべきだろう。

今回この指標がサーム・ルール景気後退指標としてFRBのデータベースであるFREDに追加された。これがフィリップス曲線やテイラー・ルールのような経済界におけるスタンダードとなるのかは今後の有用性次第だが景気後退の不安が増大する中で定期的に見ておいて損はないだろう。

最後にFREDにある日本の失業率を使って日本版サーム指標を作成しOECDの日本株価インデックスと合わせてみた。日本の場合景気後退の判断基準をを0.2-0.4%程度へと下げたほうがよさそうだがグラフを見る限りサーム指標が上昇中は何かよからぬことが起きていると思って間違いなさそうだ。株価の谷の数と指標の山の数もおおむね一致している。現在のところ本家同様景気後退と判定はできないがこの指標は今後注目を集めることがあるかもしれない。

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