2016年4月から2018年3月までの日経225オプションを売り建てて毎月1か月間SQまで持ち越した場合の各権利行使価格のオプション平均リターンを算出した。
これは過去2年分のオプションデータを使って毎月決まったトレードをしたと仮定して損益を計算した定点観測だ。取引はSQ日に売り建て1か月後にSQ決済するというシンプルなものだ。建価格は前回SQ決済日の終値で、それらをそこから次回SQ日まで持ち越したものとする。コール側は同権利行使価格でコールがプットより安くなる権利行使価格の最小値、プット側は同権利行使価格でプットがコールより安くなる権利行使価格の最大値をそれぞれATMとしてそこからインザマネーならマイナス、アウトオブザマネーならプラスとした。下表はマネーネスの計算例だ。
ATMから上下1500円ぐらいまでは毎回商品があるがそれ以上離れるとオプションが存在しないこともあるのでサンプルの少ないものを除くため上下3000円までのオプションの損益を計算して合計しそれをサンプル数(13-24)で割って平均を出したものが以下だ。
この2年間全体的には上げ相場だったこともありインザマネーはプット売りがプラス、コール売りがマイナスとなっている。この損益からインザマネーはほぼ先物買い=コール買い=プット売りのように機能したとみてよいだろう。一方アウトオブザマネーはもう少し複雑でプットは一貫してプラスなのに対してコールは近いものはマイナスで1500円でトントン、1750円ぐらいからはプラスになっている。これは相場の強さに対してニアのプレミアムが安過ぎたことを示している。安全な売りとまでは言えないが2000円程度離せばコールもプットもプラスなのでこの辺りは目安となるだろう。
全体としてみれば上昇相場ではコールは買い、プットは売りという常識的な結論が見えてくる。ファーアウトのコール側はATMから離れるほど価値が減っているがプット側はファットテイルである点も見逃せない。プット売りとコール売りは全くの別物と考えたほうがよさそうだ。
実際に取引を考えた場合ディープインザマネーは板が薄いので先物をやったほうがよい。オプショントレーダーにとってこの2年はニアプット、ファープット、ファーコール売りとニアコール買いが正解だったと言える。今後大きな下げ相場が来たらそこだけを切り取ったり上昇下落両方を含めたりで改めてリターンを出してみたい。
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