2017年になってから株価と相関の高い米自動車販売台数が減少している。自動車産業に牽引された米経済の成長サイクルも終わりに近づいているのだろうか?
今年に入り米自動車販売台数が振るわなくなってきているがこの指標は株価との相関が高く重要な指標であるので注目しておきたい。自動車販売台数は実質数値であるので名目数値である株価指数と比べるには消費者物価を勘案して調整する必要がある。まずはそれら2つを見てみよう。データはFREDからTotal Vehicle SalesとConsumer Price Index for All Urban Consumers: All Itemsを使用した。
自動車販売は季節要因が大きく時期によって販売数が変動する。より大きなサイクルとしては1990年頃と2008年頃に大きく減少している。消費者物価はきれいな右肩上がりだ。FREDのデータでは1982-1984年の物価を100としているが自動車販売台数を用いた指数を見やすくするために最新=2017年3月の物価を1としたものを自動車販売台数と掛け合わせ名目自動車販売台数を計算し季節要因を取り除くため過去12か月分を合計した。そうして作った自動車販売指数とダウ平均を比べたのが下図だ。
グラフから自動車販売指数は概ね一致指標であると言える。この指数で見ると2016年半ば頃から自動車販売台数が1750万台程度で頭打ちとなっていることがわかる。自動車販売台数の低迷が必ずしも株価の下落を意味するわけではないが自動車産業は2008-2009年の金融危機後の経済成長の担い手にもなっていたのでこの傾向が今後も続くならばアメリカ経済も無傷ではいられないだろう。
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