2017年3月4日土曜日

ロイターのコラム 「バフェット信仰」はもうたくさん

コラム:「バフェット信仰」はもうたくさん
良いコラムがあったので紹介しておきたい。

著名投資家のウォーレン・バフェット氏と言えば毎年株主向けの書簡(手紙)が話題になったり名言集が作られたりと投資の神様のように扱われ個人投資家からの人気も高いが実のところ彼を好いていない人たちも少なくない。バフェット氏の実績を疑う人はいないが彼の自己顕示欲の強さや言行不一致なところは少なからずの人を不快にさせている。

自身がヘッジファンドのようなことをやっていながら他のヘッジファンドの報酬を批判したりレバレッジを用いて金融派生商品に手を出しながらそれを大量破壊兵器と呼んだり金融業界を批判しながら金融株を大量購入したりとまさに「言っていることとやっていることが違う」のである。最近ではアクティブ運用を批判しインデックスファンドによるパッシブ運用を勧めているが自身がそうする気配はない。

バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハサウェイは様々な業種の子会社を保有するコングロマリットだが大き過ぎて市場を負かすのが難しくなっている。さらに値上がり過ぎて金持ちしか手を出せなくなっているにもかかわらず株式分割もせず大量の現金を寝かせておきながら配当も出していない。流動性を下げ株主還元もしないという非効率を自ら行っているのだ。

経済にとって金融は必要不可欠な存在だが投資業の社会への貢献は大きくない。バフェット氏がいなくとも市場機能さえあれば社会は回るのだ。彼の手法を真似するのはいいが彼を神格化したり彼の政治的意見に耳を傾けたりする必要はない。投資をやっている人は結局みなお金が大好きで勝つためには他の市場参加者を出し抜かなければならない。善人ぶって庶民アピールをしてもリターンを追求するのが投資家で投資家は賢人でも聖人でもない。

人類により貢献しているのは起業家だろう。マイクロソフトを創業しWindowsを作ったビル・ゲイツはもっと賞賛を受けてもいい。起業の助けをするのも投資の役目だがバフェット氏はそういったことにはあまり興味がないようだ。彼を貶めるつもりはないが彼もお金にがめつい投資家の一人であるということを忘れてはならない。

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