2017年2月22日水曜日

ダメな日本を象徴するようなプレミアムフライデーという政策

毎月の最終金曜日は早期退社してお金を使ってほしいとプレミアムフライデーなる消費喚起策が今週から始まる。国が斜陽で復活の見込みもないのはこういった愚策を政府が大真面目にやろうとしているからということにいい加減気付いてほしい。

プレミアムフライデーはいかにも公務員が考えたというような想像力に欠ける社会を混乱させるだけの無駄なものだ。まず国が個人の消費性向に口を出すというのがおかしい。消費性向を高めたいなら減税をすればよい。所得税住民税年金税健康保険税消費税を下げればそんなことは簡単だ。それでも国民が消費しないというのなら国民が安心して将来設計をできるような基盤を作って政府がちゃぶ台返しをしないという信用を築くことが必要だ。増税と無駄遣いばかりでどちらもする気がない政府が消費をしないというサイレントテロに直面するのは当たり前で国民は極めて合理的だ。

消費に口出しするにしてもこのやり方は土台から間違っている。みんながみんな早く帰ったら一体誰が店舗を運営しサービスを提供するというのか?月に一度人が殺到するという事態になったらサービス業にとっては迷惑だろう。こんな政策は暇な政治家と正社員の公務員が仕事してますよとアピールしているようにしか見えない。下級国民は上級国民のために奉仕しろと言っているようなものだ。

この問題の本質は労働者が休みなく働き続けているということにあるのであってすべきは土日休みが当たり前という幻想を打ち砕き休みを分散させて働き方の多様性を認めたり24時間営業や労働時間を規制して有休をとりやすくしたりといった労働改革だ。可処分所得が少なければそもそも使うお金がないし労働時間が長くても消費する時間がない。労働者もまた消費者であるのにそれを忘れていては上手く行くはずがない。

取ったものを返すという無駄が生じるので直接減税するのが一番だが地域振興券という政策のほうがまだマシだったかもしれない。日本は政府がアンチ生産性の塊という笑えない国なのだ。バブル崩壊で信用力の下がった日本の金融機関にジャパン・プレミアムが課されたように政府と経団連主導で間抜けな国民を出し抜くために金曜だけ割増のフライデー・プレミアムが課されようとしているのかもしれない。

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