2017年1月18日水曜日

下がり続ける信用倍率 日銀政策で市場が麻痺

信用市場は盛り上がっていないが株価は高値圏を維持している。日銀の株式ETF大量買い入れで市場の機能が完全に麻痺してしまい異常が日常となっている。

日銀総括の頃から目に見えて信用買いが減り信用売りが増えている。結果信用倍率は下がり信用市場はしぼんでいる。これは空売り市場でも同様で実売り空売りともに12月こそ増えたものの減少傾向にある。少し前から空売り比率も減少に転じており市場には全くと言っていいほど活気がない。特に気になるのは信用倍率でこちらは一目でわかる異常事態が起こっている。詳しく見てみよう。

グラフを見てわかる通り信用倍率と株価は緩い相関関係にある。多少のラグこそあるにせよ信用倍率が上がれば株価も上がり信用倍率が下がれば株価も下がる。ところがトランプ相場が始まり信用倍率が下がっているにもかかわらず株価は上がるという逆相関が起こっている。信用倍率と株価がこれほどの規模で反対に動いたことは過去にない。過去の相関を信じるなら信用倍率が再び大きく上がったり株価が大きく下がったりしてこのギャップは修正されるはずだがどうなるのだろうか。

もう一つ今面白いのは日経平均株価サイクルの比較だ。次の金融危機はいつ来るのかで3つのデータを紹介したがどうやら株式時価総額とUSドル円動向は今回のサイクルとは多少ずれているようなので残りの日経平均株価サイクルを見守りたい。こちらは2015年の人民元切り下げ時の下落以外はなぞるように一致しているので気になるところだ。

This time is different(今回は違う)と毎回言われながらも起こり続けてきた金融危機。もちろんデータが全てではないし予測など話半分に聞くべきだが株価10年周期説があったり実際に似たような値動きがあったりしていることを考えるとやはりブラックスワンは来ると思っていたほうがよいだろう。歴史は繰り返すのか?株価下落は株を安く買うチャンスでもあるので期待しながら待っておこう。

0 件のコメント:

コメントを投稿